なぜ、桑の実なの?だって「フルーツベジタブル」だから。そんな疑問にお答えします。
その秘密をのぞいて見ましょう。
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桑の実と果物の栄養比較表
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単位(mg)
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桑の実 |
みかん |
にんじん |
カルシウム
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39.6 |
17 |
30 |
鉄
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1.59 |
0.1 |
0.2 |
カリウム
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234 |
130 |
240 |
マグネシウム
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19.7 |
11 |
9 |
ビタミンB1 |
0.04 |
0.07 |
0.03 |
ビタミンB2 |
0.05 |
0.04 |
0.04 |
ビタミンC |
33 |
35 |
2 |
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栄養素比較グラフ
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桑の実の色、見るからに鉄分多そう!と思ったあなたはカンが鋭い!鉄分はとっても大事。特に女性にはね。カリウムは余分な塩分を取り除いてくれます。気になる方は要チェック!「桑の実」をおすすめする理由がおわかりいただけると嬉しいです。カルシウム=骨だと考えてしまうけど、イライラするときもカルシウム不足。にんじんよりも多いんだね。ビタミンCはみかんに負けちゃうけど、他とのバランスを見てほしいな。バランスって大切だと思います。
微量栄養素もがんばっています。大切なのはバランス。
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最近よく聞くワード解説
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ポリフェノール
近年、5大栄養素(炭水化物・脂肪・たんぱく質・ビタミン・ミネラル)と食物繊維に続く7番目の栄養素としてポリフェノールは健康の謳い文句になっています。なぜポリフェノールがここまで注目されているのでしょうか。
話題のポリフェノールは植物ポリフェノール(植物がつくり出す有機化合物の総称)を指し、光合成を行う植物の花弁・果実・茎などに存在する色素や苦味等の成分で、その種類は約4千種類(一説には8千種類)といわれます。
ほとんど全ての植物に含まれるポリフェノールは、その大半が含有量を始めその効能が未解明のままです。 |
ポリフェノールの作用
今までの研究で明らかになった一般的なポリフェノールの作用として、脳代謝機能活性化、抗変異原性作用 、抗腫瘍作用、抗動脈硬化作用、糖尿病改善作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用などがあります。
(1) 抗酸化作用 (活性酸素消去能)
ポリフェノールの生理的作用で最も注目されているのは、抗酸化作用です。
ポリフェノールは、フェノール基の酸化されやすい部分構造で空気中の酸素を除去し、酸素を除去する作用を持つフリーラジカルに水素原子を供与して活性酸素の生成を抑制することにより抗酸化作用(ラジカル消去能)を示す訳です。
動物のからだは、元々酵素の働きによって活性酸素から身を守るようにできています。活性酸素を無毒化する消去酵素(SOD)は40歳を越すと加齢ごとに働きが衰えてきます。そのため活性酸素を体内から除去するには、SODを補う抗酸化剤の対外からの摂取が重要になります。
(2) 抗変異原性
食物中の変異原物質は、主に体内で酸化を受けることにより活性体(ガン)となり、DNAに結合して損傷を与えます。ポリフェノールの中でも特にフラボノイドは、その抗酸化作用で細胞、動物レベルで発癌物質による突然変異を抑制します。
(3) その他の機能性
植物ポリフェノールには抗菌性を示すものが多く、病原性の微生物の侵入を防いでくれることで人の健康においても有効性を示します。 |
【ポリフェノールの原義】
ポリフェノール(polyphenol)の語源は、poly(=たくさん)とphenol(=フェノール)の2つの単語が結びついた化学用語です。フェノールとは、炭化水素(炭素のまわりに水素が結合したもの)の一部の水素が水酸基(−OH)に置き換わったものがアルコール基と呼ばれるのに対し、炭化水素のかわりにベンゼン環を配したもの(フェノール基)を指します。一つの分子中にこのフェノール基を複数もったものを「ポリ・フェノール」と呼び、高分子化合物の総称になる訳です。アルコール基より反応性が高く酸性を示すようになり、日本では石炭酸と呼びます。 |
【フレンチパラドックス】
疫学的な統計データと食品の成分を関連付ける有名なお話ですが、フランス人の肉・乳脂肪の消費量がヨーロッパの他の諸国と同じレベルにもかかわらず、心臓病や癌、脳卒中や老人性痴呆症の発症率が他の国よりもなぜか少ない逆説的事象。
このパラドックスを解く鍵としてヨーロッパの研究者たちはフランス人の世界一の消費量を誇る赤ワインの摂取による影響に注目し、その要因としてポリフェノールにたどりついた訳です。また、植物は動物に比べ長寿命であることの研究過程においてポリフェノールの役割がクローズアップされてきました。 |
【活性酸素】
呼吸により体内に入った酸素の数パーセントは酵素効果を受けてヒドロキシルラジカル(・OH)、スーパーオキシドアニオン、過酸化水素などの、いわゆる活性酸素を生成します。
これらの活性酸素種は反応性、特に酸化力が強く、ウィルスや細菌などを攻撃して生体を防御する一方、エネルギー代謝や薬物代謝などの内的要因、またストレス、化学物質、紫外線などの外的要因により過剰に生じた活性酸素(フリーラジカル)は、細胞膜のリン脂質や血中の脂質を酸化し、さらにタンパク質や核酸に障害を与えます。
最終的には動脈硬化、虚血性心疾患、老人性痴呆症、脳梗塞、リウマチ性疾患、心筋梗塞、痛風、糖尿病、ガンなどを引き起こします。
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